在留外国人による日本の魅力発信キャンペーンを実施 〜在留外国人連携事業〜

Written by JNTO

コロナ禍で国境を越えた行き来ができない状況が続いている中、必ず訪れる往来再開の日に向けて、「いつか日本に行きたい!」という訪日意欲を喚起し続け、訪日への関心をつなぎとめておく必要があります。各国に向けた積極的な誘客プロモーションは慎重に進めざるを得ない状況の中、JNTOでは、外国の方々に日本の魅力を継続的に発信し、SNS上での日本に関する情報量を増大させるため、日本に在留する外国人の発信力を活用するSNS投稿キャンペーンおよび在留外国人インフルエンサーによるオンライン講座を実施しました。

目次

「在留外国人」の発信力に注目。在留外国人連携事業について

新型コロナウイルスの感染が収束せず国際的な往来が制限される中で、これまでのような訪日旅行を促す広告などを打ち出しにくい状況下にあります。しかし、往来再開となったその時に日本を旅行先の候補として考えてもらうためには、継続して日本の魅力を発信し、旅行者との接点を作り続けることが重要です。現在、世界的に海外旅行への欲求は高まっており、この時期に日本の魅力に関する情報を継続して届けることが将来のインバウンドを生むことにつながります。そこでJNTOでは「在留外国人」の発信力に注目し、2020年度と2021年度の2回にわたり在留外国人連携事業を実施いたしました。

日本の在留外国人数は平成24年以降右肩上がりで推移し、令和2年末には約290万人(出展:出入国在留管理庁)におよんでいます。国籍別でみると、中国(27%)、ベトナム(15%)、韓国(15%)、フィリピン(10%)のトップ4カ国でほぼ7割を占め、以降、ブラジル、ネパール、インドネシア、台湾、米国、タイと続きます。

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彼らは、日本での日常の一コマや旅行先での想い出といった日本の情報を、SNSへの投稿によって出身国・地域の家族や友人に対して日々発信しています。投稿者それぞれが、「外国人目線」で日本の魅力を切り取り、それをSNSという個人的なつながりを使って発信することは、日本在住者からの生の情報として信頼性が高く、影響力があり、貴重な情報源になると考えられます。そのようなSNS投稿をする在留外国人と連携し、訪日旅行・日本の魅力のプロモーションとして情報発信につなげるのが、在留外国人連携事業です。

 

「また行きたい」「いつか行ってみたい」を生むための2つの事業

在留外国人連携事業では、以下「在留外国人によるSNS投稿キャンペーン」と「在留外国人インフルエンサーによる人材育成」の2つの事業を行っています。

1. 広く一般の在留外国人の方を対象とした、「自分の好きな日本」を発信するコンテスト形式のSNS投稿キャンペーン

日本の在留外国人や長期の日本滞在経験がある方々に、過去の日本国内の旅行を、自身が活用するFacebookやWeibo、InstagramなどのSNSで発信してもらう投稿キャンペーンを実施しました。キャンペーンでは、投稿にあたりテーマを設定。2020年度は「My own personal Japan」をテーマに、日本の観光地やお気に入りの場所についての投稿を募集しました。キャンペーンをきっかけに過去の旅行の想い出を振り返って発信することで、在留外国人の方々が「そういえば日本のここが好き」、「この旅行先に家族など親しい人を連れていきたい」と日本の地域の魅力について再認識してもらうこと、そしてその投稿を見た海外の友人・知人に「日本に行ってみたいな」「また会いたいね」という想いで日本訪問への期待を高めてもらうことを目的としています。

2020年度は投稿に「#myownpersonaljapan」のハッシュタグを付けることでご応募いただき、応募者数が2500件を超え、日頃から積極的にSNS発信をしている人のみならず、より多くの在留外国人の方による日本の魅力を発信する投稿がありました。

2021年度は「日本に住む私だからこそ見つけられる日本でのとっておきの瞬間」をテーマに、投稿を募集。日本国内でも旅行が難しい状況が続いたため、過去の旅行経験をシェアする前年のテーマから変更し、日常生活の1コマやその中で出会う文化や人といった、幅広い日本の魅力を募集するテーマとしました。

JNTOでは、目で見て分かる日本の魅力、旅行の想い出に関する投稿に加えて、在留外国人の方々が日本での生活で触れ合う文化や人といった、見た人の心が動く幅広い投稿を増やしていくことにより、アフターコロナ・ウィズコロナに向けて、旅行目的の1つである親族・友人訪問(VFR:Visiting Friends and Relatives)へのニーズも増やしていきたいと考えています。

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2020年度は指定するハッシュタグをつけて自身のSNSに投稿をしたうえで、キャンペーン事務局宛てにその投稿のURLを送る必要がありましたが、2021年度ではJNTOが準備したSNSアカウントをフォローしたうえで、指定するハッシュタグをつけて投稿する形に簡素化しました。よって約2カ月のキャンペーン期間で延べ1万件を超える投稿がありました。前年度以上に日本各地の多様な魅力が発信されています。家族での旅行風景や「映え」を狙った写真、桜やお花見の写真はもちろん、キャンペーンの開始が11月であったことから、紅葉やお正月にまつわる投稿も多く、写真に収めやすい風景が生まれる時期はより投稿数が伸びる傾向がありました。

SNSを使ってのハッシュタグキャンペーンは、投稿された瞬間の一過性の訴求力にとどまらず、ハッシュタグが付いた投稿がSNS上に増えれば増えるほど、より人の目に留まりやすくなり、そのハッシュタグをきっかけに日本の魅力紹介特集ページが設けられるなど影響が波及していくことが期待できます。継続して日本の魅力を発信し、そして拡大させ続けるという目的において、ハッシュタグキャンペーンは効果的と言えます。

2.在留外国人インフルエンサーによるSNS投稿のオンライン講座

日本の魅力の発信に意欲がある在留外国人の方々の中から、定期的に自身のアカウント(チャンネル)から情報発信を行っているものの、プロのインフルエンサーとして地域や企業を紹介する仕事を受けたことがない方を対象に、情報発信力向上を目的としたオンライン講座を開催しました。在留外国人インフルエンサーは、日本の文化や日本語を理解したうえで、日本に住んでいるからこそ発信できる情報を届けたいと考えており、さらに、出身国・地域の文化や人々の志向も理解しているので、プロモーションしたい対象国との懸け橋にうってつけの人材です。

【オンライン講座 2021年度講師の例】

在留外国人_画像10_2 ●名前(活動名):匠游
運営アカウント情報:TikTok(396万フォロワー)https://v.douyin.com/eM2McNs/
動画平均再生:100万回
プロフィール:主に日本の観光情報・日常生活を動画で紹介する人気クリエイター。TikTok観光系Top10クリエイターにランクイン。いつもファンが興味のあるテーマを選定し、再生数が高い話題の動画を次々と制作している。
配信ジャンル:観光・ショプレポ・商品紹介
在留外国人_画像9_2 ●名前(活動名):Internationally MEさん
運営アカウント情報:
YouTube(27万人フォロワー)https://www.youtube.com/channel/UCW_yDyDfu1bpqDNxeobW02Q
動画平均再生回数:20万回
プロフィール:東京の穴場や各地での食べ歩きに加え、自治体や観光局と協力して海外ではまだ知られていない地域を紹介する。その他、アジア太平洋最大のコワーキングネットワークでのトークセッションへの登壇など、講師経験が豊富。
配信ジャンル:観光・日本文化・英語学習

本講座では、プロとして活動している在留外国人インフルエンサー講師から、より多くの方からの注目を集め影響力を高めるためのSNS投稿や動画制作の技術について、チャンネルのブランディングの仕方から撮影のコツ、編集ソフトの使い方まで解説していただきました。チャンネル運営を行うには、さまざまなスキルを身につける必要がありますが、講座で学んでいただいた結果、実際、2020年度の講座参加者の総フォロワー数は70%増加、また月に複数回投稿が継続してなされており、発信の質・量ともに充実し、その影響力がますます強くなっています。2020年度の参加者による投稿の延べインプレッション数は国内外で数千万におよぶ試算となっています。

一方で、講座参加者からは「プロ(専業)ではないなかで、企画から撮影、編集までを日々継続して行うことは容易ではなく、どのように時間と労力を捻出し、日常生活に組み込む工夫していけばよいか」といった質問も講師に寄せられました。講座で実力を磨いた参加者が、フォロワーの期待に応え、訪日意欲を向上させられる投稿を続けていくことができるよう、JNTOでもさらに施策を考えていく予定です。

 

投稿された優秀作品を紹介

SNS投稿キャンペーンでは、コミュニティサイト編集部や有力インフルエンサーの方を審査員とし、優秀作品を発表しています。2021年度、2020年度に投稿されたものの中から、それぞれ優秀作品に選ばれた投稿の一部をご紹介します。

2021年度

abroadonadimeさん
概要:岐阜の風情あふれる古い町並み

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Annx1220さん
概要:和を感じる艶やかな京都の秋

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2020年度

aga0801さん(ポーランド出身)
概要:京都・嵐山での舞妓体験

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hilu_artplaceさん(台湾出身)
概要:青森で愛する子どもと出合った美しい道

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多くの自治体・DMOの方々がホームページに加えてSNSを開設し、多様なプラットフォームで地域の魅力発信に努めています。日本に、あるいはその地に居住する在留外国人の方をアンバサダーとして起用し、活躍してもらうSNSの投稿企画なども検討されると、外国人目線での魅力発信によってインバウンド再開に向けた有効なプロモーションとして期待ができるのではないでしょうか。

 

【参考リンク】

2021年度SNS投稿キャンペーンサイト

キャンペーンハッシュタグ:
(英語)#mybestjapanmoments
(韓国語)#내인생최고의일본순간
(繁体字)#分享我的日本最佳瞬間
(簡体字)#分享我在日本的最美好瞬间
キャンペーン用インスタグラムアカウント:
(英語)https://www.instagram.com/jnto_hq_2021mbjm/
(韓国語)https://www.instagram.com/jnto_kr_2021mbjm/
(繁体字)https://www.instagram.com/jnto_tw_2021mbjm/
キャンペーン用Weiboアカウント:
(簡体字)https://weibo.com/u/7709064489

【在留外国人インフルエンサーによるオンライン講座 2021年度講師の方々のSNSアカウント】

●名前(活動名):付玉蒙(フ ユモン)さん
運営アカウント:Weibo(132万人フォロワー)https://weibo.com/fuyumeng0310

●名前(活動名):maru 마루
運営アカウント:YouTube(15万フォロワー)https://www.youtube.com/c/marunouchii

●名前(活動名):Alan Channel
運営アカウント:YouTube(50万フォロワー)https://www.youtube.com/c/AlanChannelJP

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