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【豪州市場】1人当たり旅行支出額No.1・長期滞在の豪州は、口コミがカギ(JNTO海外事務所インタビュー)

2020年12月24日 (木)

Written by JNTO

訪日外国人観光者の中で、1人当たり旅行支出額が一番高く、滞在期間も長期の豪州市場。JNTOシドニー事務所のさまざまな施策を通して見えてきたのは、豪州の方々は、自国と違った日本の自然と歴史の長い伝統文化に魅力を感じ、SNSを活用して口コミを広げていくことでした。
世界に22の海外事務所(2020年12月現在)を構え、各市場に最適化したインバウンドプロモーションを実施するJNTO。海外事務所インタビュー連載では、海外事務所が行うプロモーション経験や、それにより培ってきた現地ならではの知見等を通して、各市場におけるインバウンド施策へのヒントを探っていきます。こちらの記事では、シドニー事務所 所長 田中陽子がお話しします。
※所属事務所・役職は取材当時の情報です。

目次

1人当たり旅行支出額全市場中第1位。長期滞在。口コミの影響大。~豪州市場の特徴~

―オーストラリア市場の特徴は?

「南半球に位置し、日本の国土面積のおよそ22倍を持つ多文化国家オーストラリアは、日本のインバウンド観光の対象市場の中で特殊な立ち位置を確立しています。訪日中の支出額が高い『欧米豪』の中でも、オーストラリアは1人当たり旅行支出額247,868円で全市場中第1位(*)。さらに、平均訪日滞在日数も12.9泊(*)で、ゆっくり、じっくり日本を楽しむのがオーストラリア人の特徴です。

オーストラリアでは、休暇が取得しやすいということもあり、訪日に限らず長期間旅行をします。滞在期間が長いため、宿泊、食、交通など旅行の主たる部分はもちろん、オーストラリア人は価値のあるものに対して支出を厭わない傾向があるため、消費額が高くなるのです」

*:観光庁「2019年訪日外国人旅行消費額(確報)」 より

―オーストラリア人の特徴は?

「口コミの影響が強いと感じています。たとえば、Facebook の投稿に対するオーストラリア人の反応はとても良く、自分が興味を持っているコンテンツについて、コメントを書いたり、コメント欄での交流が始まったり、自分の友達をタグ付けして紹介したりします。JNTOシドニー事務所では口コミ効果を狙って、月に一度おすすめの日本食などテーマを決めてご意見募集も行っています。自分のおすすめを皆に伝えたい想いが強いのが、オーストラリアの国民性なのかもしれません」

―コロナ禍のオーストラリアの状況は?

「オーストラリアでは、厳しいコロナ対策がとられており、コロナ感染が始まった3月末から海外渡航の全面禁止が続いています。各州は州境を閉鎖した状態が長らく続きました。感染テストの積極的な実施、感染者及び濃厚接触者に対する追跡及び隔離等、社会的距離を保つための数々の規制のおかげで 、2020年12月の時点で1ヵ月間以上新規感染者が出ておらず、状況が少し安定してきています。

そんな状況の中、JNTOシドニー事務所ではB2C向けの活動として、SNSを中心とした情報発信をしています。日本の情緒的な画像に対する反応が高く、『こんな旅行目的地は知らなかったので、ぜひ訪日した際には行ってみたい』といったコメントや、中山道の写真には『懐かしい』『もう一度行ってみたい』など訪日を思い出してのコメント、『ぜひ訪問してみたい』といった今後の参考にするようなコメントがありました。また、 コロナ後の海外旅行の需要変化を調査するアンケートを実施した結果、6,000を超える回答がありました。訪日再開を待ち望む前向きな反応が多いと実感しています」

日本のグリーンシーズン(夏)は伸びしろあり。~自然の中に歴史や文化が感じられる場所を訴求~

―旅行先に日本が選ばれている理由は?

「オーストラリアの地理的な要素や季節が、訪日時の旅行傾向に関係していると思います。オーストラリアは世界で6番目に面積が大きい国です。東部に位置する主要都市のメルボルンやシドニーから西部に位置するパースへは、飛行機で約5時間かかります。また、オーストラリアは日本と同じく島国です。ほかの国から離れているため、全人口の3分の1が居住しているメルボルン、シドニーから気軽に行ける海外はニュージーランドくらいで、近くのインドネシアをはじめとする東南アジア諸国も数時間かかります。そのため、飛行時間で約10時間かかる日本は、オーストラリア人にとってそこまで遠く感じないのです。

また、オーストラリアは南半球に位置しているため、季節は北半球と真逆です。真夏には避暑のため北半球の冬を求めて日本を目指す人が多く、日本のスキー場やスキーリゾートはオーストラリア人で賑わいます。一方、冬になると気候の暖かい場所を求めて、近くの常夏の東南アジア諸国やヨーロッパのリゾート地に向かう人が多く、日本を訪れる方は少ないのです。

日本の冬にはスキーという明確な目的やアクティビティがあるのに対して、夏は蒸し暑いというイメージが強く、なにができるかは知られていません。逆に考えると、日本のグリーンシーズン(夏)はまだまだ伸びしろがあり、未開拓な市場があって大きなチャンスがあるということです」

―オーストラリア人が感じる日本の魅力は?

「オーストラリアは移民の国です。日本のように独自の伝統文化や歴史が多くないため、日本の伝統文化には大きな価値を感じます。先人から代々伝わってきた伝統文化、日本の長い歴史を感じられる場所が、オーストラリア人の心を掴んでいるのです。また、山々の紅葉や田園風景など日本の自然も注目を集めていて、青い空に広大な自然が広がるオーストラリアとの違いに興味を持ちます。そのため、日本の自然の中に歴史や文化が感じられる場所が、オーストラリア人にとって魅力を感じるようです。

歴史が息づく豊かな自然の中で楽しむ人気アクティビティの一例として、和歌山県の熊野古道や、中山道をはじめとする旧街道でのハイキングが挙げられます。ハイキングや山登りならオーストラリア国内でもできる場所がたくさんありますが、日本ならではの歴史的な古道を歩いたり、歴史的な建築物が立ち並ぶ街並みを楽しみながら歩いたりする体験は日本でしかできないため、価値を高く感じるのです。また、日本の文化を体感できるお祭りや、伝統的な川釣り体験など、日本の歴史や伝統文化を感じられるアクティビティへの興味、関心は高いです。

また、オーストラリアは車社会なので、日常生活においても国内旅行においても車での移動がほとんどです。しかし、日本を旅行する時はあえて非日常的な体験である電車を選ぶ人が多く、オーストラリア人にとって日本の鉄道は魅力のひとつで、豪華列車も人気があります」

【地域やDMOの皆様へ】地域の魅力を外国人目線の英語で情報発信してください

Sydney-JNTO

―最後に、地域の方々へのメッセージを

「オーストラリア市場へ向けて地域の方々にはぜひ、地域の魅力を外国人目線の英語で情報発信していただけたら良いなと思っています。日本の各地域にはオーストラリア人がまだ知らない魅力がたくさんあり、オーストラリア人も知りたがっています。たとえば、Webサイトで地域の観光資源の英語解説文を掲載していると、検索にヒットする可能性も出てきます。

オーストラリア人は日本に対して、とても良い印象を持っています。そして、好奇心が旺盛です。地域の方々も気持ちよく受け入れることができ、気持ち良い対応を受けたオーストラリア人は満足度も高くなり、口コミで広がっていくことも期待できます。地域もオーストラリア人もWin-Winの関係を築けるはずです。そんなオーストラリア市場に、ぜひ今後も注目していただけるとうれしいです」

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