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ラグビー・オリパラをきっかけに旅行先として選ばれる日本へ

2019年12月03日 (火)

Written by JNTO

日本政府観光局(JNTO)は、訪日プロモーション事業の実施主体として、外国人旅行者の誘致活動を行っています。本連載では、JNTOの取り組みをより知ってもらうため、活動内容や地域との連携などについて 紹介していきます。今回は、市場横断プロモーション部の鈴木敏文次長が、同部ラグビー・オリパラグループのプロモーション施策や地域との関わり合いについてお話します。

目次

ラグビーやオリパラを契機に、日本に興味を持ってもらう

2019年9月から11月にかけて開催されたラグビーワールドカップ。日本はベスト8という史上初の好成績を残し、大変な盛り上がりを見せたことは記憶に新しいでしょう。大会が開催された各都市には、海外からも多くのラグビーファンが訪れました。そして、2020年夏にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えています。

「私たちラグビー・オリパラグループが行っているのは、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、海外へ“観光地としての日本”をPRすることです。これまで日本を旅行先として考えていなかった人に興味・関心を持ってもらったり、『いつかは日本を旅行したい』と思っている人に実際に来てもらえたりするようなプロモーション活動を中心に行っています」と鈴木次長。

「東京オリンピック・パラリンピックで訪日する国内外のメディア関係者数は、数万人と予想されます。大規模な国際大会の開催は、地域の観光地や魅力を発信してもらい、インバウンド誘致のきっかけにするチャンスなのです」。

市場横断プロモーション部次長 鈴木敏文

ラグビー界のレジェンドを起用した観光動画を配信

具体的な取り組みとして、ラグビーワールドカップでは海外向けに専用Webサイト『DISCOVER JAPAN』を開設し、『Rugby Legends Journeys in Japan』という動画を公開しました。動画にはワールドラグビー年間最優秀選手賞を3回受賞したダン・カーター氏、イングランドの代表監督であるエディー・ジョーンズ氏、オーストラリア元代表選手のマット・ギタウ氏という、ラグビー界の3人のレジェンドが登場し、日本の観光地を訪れて、その都市ならではの体験をします。

「Webサイトを開設しても、海外の人に見てもらえなくては意味がありません。そこでこのPR動画を、広告としてYouTubeをはじめとするさまざまな媒体で配信しました。動画を見て日本に興味を持った方をWebサイトへ誘引し、さらに関心を深めてもらう流れを作るためです。他にも、海外のインフルエンサーを起用し、ラグビーワールドカップの盛り上がりや周辺の旅行情報を配信してもらうなどのプロモーションを行いました」。

海外メディアに向けた観光コンテンツの拡充とホットラインの開設

また、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けては、2019年3月に海外メディア向けの画像・映像Webサイト『Japan Online Media Center – Japan Tourism Business Resources –』を大幅にリニューアルしました。具体的には、約1万4000点の画像・映像ダウンロード機能に加えて、メディアが記事にしやすいよう、画像・映像データをテキストとともに提供するパッケージ型のコンテンツの提供も始めました。他にも、海外メディアへのヒントを散りばめた、日本国内の観光情報を掲載しています。

「取材が自由にできる観光地や、メディアツアーの開催日程など、海外メディアが求める情報を発信していく予定です。たとえば大会開催に伴い数週間滞在する中で、時間が空いた時、このWebサイトを見て、全国どこかのメディアツアーに参加していただき、『参加して良かったから、今度また日本を取材しようか』とインプットしてもらうことを狙いとしています」。

その他にも、電話・オンライン両方に対応した「メディアホットライン」や、全国の政令指定都市に「メディア対応窓口」を開設しました。「メディアホットライン」には海外メディアから「周辺で取材できるスポットを教えてほしい」など、さまざまな問い合わせが寄せられています。今後、「メディアホットライン」で一元的に対処できない案件については、各都市の「メディア対応窓口」へつなぎ、即座に対応できる体制を整えます。

過去大会の事例をヒントに各地域のプロモーションを後押し

ラグビー・オリパラグループでは、各地域と連携した取り組みも展開しています。ラグビーワールドカップの開催に際しては、観光庁主催で地域のインバウンド関係者を集め、4回の会議を開催しました。そこでは過去の大会における、メディアツアーの実例や欧米からの旅行者の行動パターンといった知見を共有しました。

「ロンドン大会の事例から、欧米では昼間からファンゾーンでお酒を楽しんで、そのまま試合観戦に行く傾向があるというお話をしました。その話を踏まえ、各開催都市では会場周辺やファンゾーンでもきちんと飲食ができるよう、飲食コーナーの充実が図られました。関係者からは『本当に聞いた通りだった』『役に立った』という声も聞けたので、有意義な会議だったと実感しています」。

オリンピック・パラリンピックに向けては、「東京スポーツスクエア」(東京・有楽町)に設置される「東京都メディアセンター」という施設に、地域をPRするブースの設置を予定しており、出展を呼びかけています。

「たとえば、日本の夏は花火が有名ですが、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中は、警備等の関係上、都内近郊の花火大会は開催されません。一方、地方の花火大会は例年通り開催されると聞いています。PRブースでそのような情報を紹介できればインバウンド送客のチャンスになります」。

JNTO市場横断プロモーション部ラグビー・オリパラグループのメンバー

訪日の地域や時期を分散させ、外国人旅行者数の減少を防ぐ

同グループが各地域と連携することには、「クラウディング・アウト」対策という狙いもあります。この場合の「クラウディング・アウト」とは、オリンピック開催年は観戦客の上積みが見込めるものの、一方で外国人旅行者数が減少することを指します。近年のオリンピック・パラリンピック開催国でも、開催年には外国人旅行者が鈍化するというデータがあります。

「大会期間中は宿泊費が高く、予約が取りにくい状況です。そういったネガティブなイメージが広がってしまい、本当に日本に来たい人が来られなくなってしまう。そこで、私たちをはじめJNTO全体で取り組もうとしているのが、『地域分散』や『時期分散』です」。

宿泊予約を比較的確保しやすい東京近郊の施設を提案する「周辺都市への宿泊分散」、東京以外の地方の魅力を訴求する「訪日旅行の地方分散」、事前の周知で大会前後の時期に誘導する「訪日旅行の時期分散」。ターゲットとなる市場に応じ、JNTOではこうした分散を促すプロモーションを計画しています。

「他にも、『2020年に日本に来ないと損してしまう』と思ってもらえるような、2020年限定の特別なプログラムを提供したいと考えています。そのために、現在、各地域に協力の呼びかけを行っています」。

重要なのは、大会終了後の継続的なプロモーション

大会前のプロモーションももちろん大事ですが、さらに重要なのは「大会終了後も継続的にプロモーションを行うこと」だと鈴木次長は言います。ロンドンオリンピック・パラリンピックでは、閉幕後に戦略的なプロモーション施策を講じ、インバウンド観光に成果を上げました。

「これほどまでに大規模な国際大会が開催される機会はめったにありません。だからこそ、大会前・大会中に築いたレガシーを継承し、大会後にさらなるプロモーションを実施する必要があります。インバウンドに取り組む皆様からのご相談も受け付けておりますので、このチャンスをぜひ一緒に活かしていきましょう」。

JNTOでは以下の部署およびグループの活動内容や地域と連携した取り組みなどを紹介していきます。次回は地域連携部会員サービスグループの「事業パートナー制度」についてお話します。

1. 市場横断プロモーション部 ラグビー・オリパラグループ
2. 地域連携部 会員サービスグループ
3. 地域連携部 受入対策グループ
4. 企画総室 デジタルマーケティング室
5. 企画総室 調査・マーケティング統括グループ
6. MICEプロモーション部
7. 海外プロモーション部

※掲載の順序は変更になる可能性があります

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