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山陰インバウンド機構が取り組む「農山漁村滞在」とは。

2019年01月31日 (木)

Written by JNTO

山陰地方の日本版DMOである一般社団法人 山陰インバウンド機構。現在取り組んでいる「農山漁村滞在」について、一般社団法人 山陰インバウンド機構 マネージメント部 マネージャー 雑賀 誠司様にインタビューをさせていただきましたのでレポートします。

目次

山陰インバウンド機構が取り組む「農山漁村滞在」

2016年4月に日本版DMOとして発足した、一般社団法人 山陰インバウンド機構。現在取り組んでいる事業の一つである「農山漁村滞在」が注目されている。

山陰インバウンド機構は、日本版DMOとして初めて、民泊仲介事業大手のAirbnbと提携し、農山漁村滞在の受け入れ態勢の強化、マーケティングなどの支援を共同で行っている。雑賀氏は「地域のミニ観光地化を目指しています。」と語る。

民泊を行う上で、ホテルや旅館、温泉地とぶつからないように主要な観光地や温泉地、市街地では行わず、観光に弱い農村や漁村などに限定して行なっていくという方針で「農山漁村滞在」と名付けた。さらに、「農山漁村滞在」を各地域で行うような村おこし的な取り組みではなく、産業、事業として捉えるということが重要なポイント。「観光地化や、産業、事業というと大げさに聞こえますが、そういったところを目指して継続していかなければと考えております。せっかく良い取り組みを行ってもすぐに消えてしまうようでは、意味がありません。」と語った。

 

「農山漁村滞在」を推進するための受け入れ態勢の強化

「Airbnb様の仕組みは田舎が困ることを排除してくれている。」

Airbnbでは、訪れる相手とホスト側が事前にチャットで話し、お互いを知ることができ、代金の支払いもAirbnbが管理するため、金銭の直接的なやりとりがない、また、「補助ホスト」という仕組みで、ホストさんの負担を減らす制度も充実している。「農山漁村滞在」を推進するため、外国人観光客に向けた言語や習慣への対応、観光案内の機能も持たせて窓口体制の整備も提案、滞在をしてもらうことで、素通りするだけでは気づくことのできない地域の魅力を知っていただくという狙いがある。と語った。

手始めに、旅行先として目新しさのある日本の田舎に民泊という受け入れ態勢を整備することで、海外からの誘客を見込めるのではないかと感じている。また、訪れてくれた外国人観光客への対応ができるよう各地で説明会を行なっている。集客に関してはこれから取り組んでいくことになるが、地域の人々にも意識の変化が感じられてきている。

雑賀氏は、「意識の変化として、外国人に対する姿勢が変わったと思います。以前は外国人に対する拒絶に近い反応を示す方が多かったが、最近はそういった反応を示す方が減りました。しかし、全く無くなったという訳ではないので、その壁を払拭すべく、活動していきたいです。」と語った。

 

奥出雲町で民泊を行う上で目指すこと

実際に奥出雲町で民泊を行なっている李さんと玉井さんにお話を伺った。

「奥出雲町でコトバの旅をしよう」をコンセプトに「JECK」というゲストハウスを運営している李さんは、「奥出雲に訪れる人のキーワードとして「語学」を学べる場として知られていくことができればいいと思います。」と語る。JECKとは、Japanese,English,Chinese,Koreanの頭文字をとったもので、語学学習を行うことのできる施設を目指してその名前をつけたという。現状は、観光地と観光地をつなぐ、寝る場所にしかなっていないことが多いが、連泊をしてもらうことができたら、奥出雲の「たたら」や「自然」、「刀剣」などの魅力を知ってもらうことができる。「理想は、当初からの目標である語学合宿と観光を組み合わせることで、長い期間宿泊していただき、日本語を学びながら観光してもらうという形ですね。」と語った。

続いて、「かがり屋」を運営する玉井さんは、「民泊の面白いところは、知らない人との交流によって、自分の知らない世界を見られるところ。今は圧倒的に日本のお客様が多いが、いずれかがり屋で海外の方と日本の方が交流してくれたら理想ですね。」と語る。かがり屋では、ゲストハウスは泊まるだけの場所ではないと考え、コミュニケーションを大事にしている。また、民泊を行う当初から、海外のお客様の民泊利用率が高いことから外国人をターゲットに入れていた。今年からAirbnbにも登録し、海外のお客様を含む利用客の増加に期待をしている。「日本では、ゲストハウスの存在や実態を知らない人が多いので、PRしていきたいです。」と語った。

 

今後の「農山漁村滞在」に関するプロモーション

「どのようなプロモーションに生かしていくのかが重要だと感じています。」雑賀氏は続ける。奥出雲町を最初に、山陰各地で「農山漁村滞在」に取り組む地域を増やし、各地でAirbnbの掲載数を増やす。それをフックに、各地域ならではのコンテンツを整理し、メディアでの露出度を高め、誘客を進めていく戦略だ。

「海辺でねそべったり、漁船で釣りができたり、山でトレッキングができたり、自由に動けるのが地域の特徴。やさしい人たちとのコミュニケーションの中で、もう一つの日本を感じてほしい」。山陰の良さを凝縮した「農山漁村滞在」に、日本らしい“旅”を味わってもらえるよう「上質なプロモーションを心がけていく」と語った。

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