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佐賀県フィルムコミッションの成功が生んだ、地元住民のタイ人観光客への意識変革

2019年01月24日 (木)

Written by JNTO

フィルムコミッションの活動を経て、佐賀県をロケ地として撮影したタイ映画、「タイムライン」の大ヒット。佐賀県の知名度が全国的に上昇したとき、地域にどのような変化が起こったのだろうか。
佐賀県 文化・スポーツ交流局 観光課 副課長の田中 英敏様、同じく観光課主任の野田 恵様、文化課 フィルムコミッション担当係長の森岡 貴之様、広報広聴課企画担当係長の近野 顕次様、一般社団法人 佐賀県観光連盟 誘致推進部 主事の角 直樹様にお話を伺いました。

目次

タイ映画「タイムライン」の大ヒットによる観光課とフィルムコミッションの連携

インバウンド施策を行うにおいて、「知名度が低い」という最初の大きな壁に悩まされていた佐賀県。「当時は、海外のエージェントからも佐賀は場所は良いけど、一般観光客には売れない、という理由でなかなか観光商品を作ってもらえなかったです」と、観光課副課長の田中様は語る。

そんな中、2013年のタイのビザ緩和をきっかけに、佐賀フィルムコミッションがタイの映画会社、テレビ局等の関係者に猛アプローチ。入念な下準備とリサーチをこなした末、実際にタイへと足を運び現地の映画監督に直接売り込みに向かった。そこで決まった映画が「タイムライン」だった。映画は大ヒットを記録し、タイにおける佐賀県の知名度は一気に上昇した。

これを受けた県観光課が、海外のエージェントに映画の映像を見せてアプローチをしかけることで、旅行商品を作ってもらいやすくなり、佐賀県への誘引が加速した。「観光商談会でも、映画に出演してくださった俳優の方を呼び佐賀の魅力を語ってもらうことで、現地目線でのプロモーションができるようになりました。フィルムコミッションの活動によって、タイ人観光客増加率も大きく上昇するなど、観光面でも大きくジャンプアップできました。」と田中様は語った。

 

外国人観光客増加率が大幅上昇した要因は「様々な努力とタイミング」

外国人観光客が大幅に上昇することになった要因は、大きく分けて3つあった。一つは、ロケツーリズムの成功。「タイムライン」の大ヒットから佐賀県のことを知り、訪日したタイ人観光客が多数見られた。

もう一点は、「海外での佐賀県のプレゼンスが上がった」という点。海外から見ると、佐賀県はあくまで福岡空港から長崎や別府に足を運ぶ際の通り道、という認識でしかないのが現状だったが映画ドラマ等を活用したプロモーションにより佐賀県のプレゼンスが上がった。「これまで佐賀に宿泊をする観光客はほとんどいなかったんです。そんな中、タイ人観光客が佐賀を目当てに日本へ訪れるようになったのは、大きかったです。」田中様と語る。

最後の一点は、佐賀空港に中国と韓国からのLCCが就航するようになり、佐賀空港を利用し日本に入ってくる外国人観光客が生まれた点。これにより、中国人や韓国人の観光客も佐賀に足を踏み入れる機会が増える結果となった。

様々な努力とタイミングが生んだ要因が絡み合い、「タイムライン」の公開以降の外国人観光客宿泊者数は5倍増しという、驚異的な数字をたたき出した。

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タイ人観光客が増えたことによって生まれた、地元住民の意識変革

タイ人観光客が佐賀県に足を運ぶ機会が増えたことにより、地元住民の意識に大きな変化があった。「地域の方々がタイ人観光客に対して、蜜柑を配る気遣いや、タイ語の看板を制作するなどの活動を自主的に行ってくれている。自分たちの地元にはるばる足を運んでくれているタイ人の方々になにかをしてあげたい、という気持ちが住民の方々の中に芽生えてきているのだと思います」と、田中様は語った。

自治体、住民全体が、地元を盛り上げたいという熱量をいつまでも持って、めげずに活動を続けることが、タイムラインのヒット後もタイ人観光客が増え続ける要因であることがわかった。

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