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外国人の目線に立って考える福島県のコンテンツづくり

2018年12月14日 (金)

Written by JNTO

東日本大震災以降一気に激減した外国人観光客を「コンテンツづくり」で取り戻しつつある福島県。どのように外国人にウケるコンテンツを生み出し、観光客を取り戻したのか、その取り組みを福島県観光交流局観光交流課主事 藤井智生様にインタビューをさせていただきましたのでレポートします。

目次

震災によって急激に減少した観光客

「福島に対して風評被害、マイナスイメージの少ない国をターゲットにし、その国にしっかりと福島の魅力を届けるようにしようと考えました。」

震災前には、韓国からのゴルフ客が多く、韓国のチャーターや、中国など東アジアの誘客が8万人弱。日本全国でも上から20番程度に入るほど外国人観光客が訪れていた福島県。しかし、震災時に起きた原発事故により、外国人観光客はほとんど来なくなってしまったという。そんな状況を打破する施策の一つとして、韓国で観光客を呼び戻すためのイベントを計画するも、現地の団体から福島県の物を使ったPRに対し、強烈な反対を受けた結果、イベント出展の前日に、イベント自体がなくなってしまう程風評被害は高まっていた。

そこで、どうすれば福島県にお客様が戻ってくれるかを考え、「誰に、何を、どうやって売るのか。基本的ですが、それが最も大事だと思いました。」藤井さんは語る。

 

外国人目線になってコンテンツを考える

「外国人の目線に立つこと、どういったものに興味関心があるのかを知ることが大切です。」

まず、福島県に対して風評被害、マイナスイメージの少ない国にターゲットを絞り、パンフレットを活用した旅行博出展、PR動画の制作を行い、プロモーションを行なった。福島県の認知拡大には繋がったものの、良かったとは一概に言える結果とならず、観光客の増加にはあまり効果がなかった。そこで、どうすれば取り組みがターゲットに響くのかを考え、外国人の目線を取り入れたコンテンツづくりをすることで反響を得ることができた。「外国人のアドバイザーに実際に福島県に来てもらい、ここが良かったという点、ここはこういう風に見せていったほうがいいという点などを教えてもらいました。とても参考になったのが、会津の白虎隊に対して、とても興味を持ってくれたことです。外国人の方、特に欧米の方は、日本の歴史への好奇心が大きいということを知ることができました。」と藤井さんは語り、特に、外国人の興味関心を喚起することのできるコンテンツとして「サムライ」を挙げた。現在福島県では、「サムライ」をテーマに、剣道・弓道といった武道体験や、武家茶道体験を行ったり、会津の侍の歴史を紹介するなどの外国人向けのコンテンツづくりをしており、訪日外国人旅行者に好評を得ている。

 

 

コンテンツを生かすためのプロモーションとマーケティング

福島県では、コンテンツ作りだけではなく、プロモーションに関しても、PR映像を制作する際に、オランダ人とアメリカ人に動画制作スタッフとして参加してもらい、外国人からの関心が高い、ヒストリー、アウトドア、ヘルス、ネイチャーという四つのテーマに分けて制作を行うことで、外国人目線の完成度の高い映像を実現し、欧米での完全視聴率は70%を達成、スペイン大使館の公式フェイスブックにシェアされるなど高い反響を得ることができた。

そういった結果に対し、藤井さんは「自分たちの強みを外国人目線でしっかり分析し、それがどの国のどの層に響くかマーケティングを行った成果だと思います。そこから、さらにより響いたテーマやそのターゲットに注目してコンテンツづくりを行っておりますが、想像以上の反響が出て来ております。」と語った。

また、今後の課題として、オフラインとオンラインを連結させることに取り組んでいる。「ポスターなどのオフラインの広告も、例えば剣道に興味を持っている外国人が集まりやすい場所に設置、さらにデジタルプロモーションでもそのコミュニティに情報を届ければ、二度塗り、三度塗りで、良いブランディングが出来ます。テーマやターゲットを絞りながらオフラインの強みとオンラインの強みを掛け合わせたマーケティングを行うと非常に効果的なプロモーションに繋がります。」と語った。

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