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日常の中の脱日常 ~韓国人が旅行に求めるもの~

2018年10月15日 (月)

Written by JNTO

日本政府観光局(JNTO)では、海外現地事務所にて各市場のマーケティング情報を収集し、各市場にあった訪日インバウンドプロモーションを展開しています。
最前線である各国・地域の現地事務所から「現地にいるからこそ感じられる消費者ニーズや生活トレンド」をお届けします。
第4弾は韓国のソウル事務所からのレポートです。

目次

訪日旅行は日常

年間700万人を超える旅行者が日本を訪れる国、韓国。

韓国人にとって、日本への旅行は極日常的なものとなっており、韓国は月当たりでも50~60万人が訪日する巨大なマーケットです。訪日旅行が日常的になっているがゆえに、ピークシーズンやオフシーズンの明確な区別がほぼなく、連休のみならず週末ごとにたくさんの方が訪日しています。
日韓間はたくさんの航空路線で結ばれていますが、気軽にLCCで訪日する方がほとんどになっています。週末ごとに(お休みを1日くらい取って)、LCCで気軽に日本へ行く、そんな訪日旅行スタイルというわけです。

ただ、このように日常的であるがゆえに、滞在日数は2泊3日、周遊せず1つの場所に滞在するという特徴につながり、しかも便数の豊富な大都市に偏りがちでもあります。

韓国人の行っていないところはどこ?

では、大都市ではない地方には韓国人は来てくれないのか。もちろんそんなことはないわけです。
古い例の引用で恐縮なのですが、ハワイ・ワイキキビーチに日本人が溢れかえり、外国気分を味わえなかった!という時代があったように、韓国の方も日本に行っても韓国人が多いことから、「韓国人の行かない観光地はどこか?」という問合せも実際に少なくないのです。日常的である訪日旅行ではあるけれど、やはり韓国人が多いところは避けたい、すなわち脱日常を求めているのですね。

みなさんは「ホカンス」という言葉を聞いたことがありますか?

これは韓国での造語で、猛暑の際に遠くに出かける気にはならないけど、ゆったりと時間を過ごしたいというトレンドに根差して、ソウル市内のホテルに一家で少しだけ贅沢にのんびり涼しく快適に過ごすスタイルが流行りました。これが「ホテル+バカンス」で「ホカンス」という訳です。
日本に行かずに近場で満足してしまうのは些か困ってしまうのですが、まさに日常の中の脱日常を求める姿がお分かり頂けるのではないでしょうか?

地方都市の様々な魅力を紹介している大手旅行社ホームページ

 

トレンドに即したPRを

そんな脱日常を求める韓国人旅行者誘致に効果的なのは、消費トレンドを意識するということです。
韓国の現在の消費トレンドは「小確幸」(小さくとも確実な幸せ)、「価心比」(心の満足を重視)であり、言い換えれば「自分」「今」への満足と言えます。

各種業界でもこうしたトレンドを意識して消費者に対するマーケティングを展開していますが、訪日旅行業界においても、ユニークな体験プログラム、テーマ旅行、大都市よりも静かな小都市を訪れる旅など、今を、自分を満足させる旅行商品が展開されています。

今を、自分を満足させるといっても、なかなか抽象的となってしまいますが、こうしたトレンドに即した地方への旅行需要は今後ますます増えていきます。地域独自の観光コンテンツを絞り込み、脱日常で今を、自分を満足できる素材として発信していく。大都市では味わえない、「韓国人の行かない(=あまり知らない)」コンテンツは、きっと彼らの「小さくとも確実な幸せ」となり、心を満足させることができるでしょう。

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