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インバウンドの取り組みで市外からの需要を取り込む

2017年11月20日

インバウンドの取り組みで市外からの需要を取り込む

インバウンドの取り組みで市外からの需要を取り込む

糸魚川市は新潟県の最西端に位置し、日本海に面しています。糸魚川静岡構造線(フォッサマグナの西端)が通り、日本の東西の境界線上にあります。世界有数のヒスイの産地としても知られ、2009年8月には日本初の「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されました。 2015年、北陸新幹線の開通により首都圏からのアクセスが格段に向上。市外からの需要を取り込む施策として、観光およびインバウンドへの取り組みに期待が集まっています。

対象地域
新潟県
面積
746.2k㎡
総人口
43,766人(推計2017/11/01)
主要観光資源
糸魚川ユネスコ世界ジオパーク、フォッサマグナミュージアム、親不知、マリンドリーム能生、久比岐自転車道、翡翠園・玉翠園・谷村美術館
公式サイト
http://www.city.itoigawa.lg.jp/
http://www.itoigawa-kanko.net/
http://www.geo-itoigawa.com

取り巻く環境

糸魚川の経済は、デンカ株式会社青海工場、明星セメント糸魚川工場などの労働需要によって支えられてきました。一方、観光資源には乏しく、海水浴など日帰りの旅行先という位置づけが続き、宿泊施設や飲食事業者は労働需要で成り立ってきました。現在は、北陸新幹線完成に伴う地元の大規模プロジェクトが一旦終息したこともあり、労働需要も減退傾向にあります。1970年代に67,000人だった人口は、現在43,000人。生産年齢人口の比率は変わっていませんが、少子高齢化は進行しています。人口減による総需要の低下が進み、市民の地元での消費も減退が見られます。

昭和31年に国の天然記念物に指定されたヒスイ峡(小滝川ヒスイ峡ジオサイト)

 

受け入れの現状

現在の外国人宿泊者数は年間約2000人。二次交通が個人旅行向けでないため、ほとんどが団体旅行です。主な交通手段は新幹線と観光バス。糸魚川駅での乗り換えを目的とした旅行者が多いため、駅前商店街、駅からアクセスしやすい美術館や庭園への訪問が多く見られます。また、外国人旅行客は、田園風景を好む傾向があり、田舎体験が人気です。その一方で、交通手段がないため山奥の観光地にはあまり足を運んでいないという現状もあります。

外国人宿泊者数は韓国が圧倒的に多く、次いで中国、スイス、アメリカ、フランス、ドイツと続きます。韓国は春と秋、中国は9月、欧州は春夏秋、アメリカは1月の訪問が多く見られます。

 

抱える課題

糸魚川市が抱えるインバウンドの課題としては、①北陸新幹線の完成により首都圏からの利便性が向上した一方で、二次交通が弱い ②観光地としての知名度の低さ ③PR不足 ④地元の連携プレイヤーが十分でない ④住民においてインバウンドの可能性や重要性が十分に理解されておらず、中国語や韓国語などの外国語ができる人材がいないといったことが挙げられます。

糸魚川の田園風景

 

取り組み

広域連携として富山空港国際線定期便利用の立山黒部アルペンルート、白馬と糸魚川を組み合わせたルートでPRしています。具体的なプロモーションについては、中国、台湾、香港をターゲットにしたアジアに対しては団体旅行客向けにカニやヒスイのPR、オーストラリア、スイス、ドイツ、フランス、イギリス、北米をターゲットにした欧米豪に対しては個人旅行者向けに田舎体験、歴史文化、ジオパーク、スキー、地酒のPRを行っています。

11月に開催されるワークショップでは、①インバウンドにおける糸魚川のポジショニングと現状のインバウンド施策・課題意識の共有 ②ターゲット層とコンテンツの明確化 ③効果的なプロモーション手法の理解・共有 ④糸魚川におけるインバウンドプロモーションの方向性の確認を達成目標として実施していきます。

 

糸魚川市のインバウンドに関するより詳しいデータはこちら