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流動人口を増やせ!ベッドタウン春日部市の挑戦

2017年10月26日

流動人口を増やせ!ベッドタウン春日部市の挑戦

流動人口を増やせ!ベッドタウン春日部市の挑戦

埼玉県東部に位置し、アニメ『クレヨンしんちゃん』の舞台としても知られる埼玉県春日部市。都心で働く人々のベッドタウンとして急速に都市化が進展しました。人口は24.4万人(2003年)をピークに減少傾向となり、現在は23.6万人(2017年)。全国的な傾向と同じくして、少子高齢化が進展しています。65歳以上が2003年比で2倍の6.9万人と拡大。人口の3割弱となっています。こうした中、春日部市においては、交流人口増により街の活気を取り戻し、誰からも「選ばれるまち」への一助として、「観光」「インバウンド」への取り組みが検討され始めました。

対象地域
埼玉県
面積
66.00k㎡
総人口
235,991人(2017/10/01)
主要観光資源
大凧、首都圏外郭放水路、藤棚・牛島のフジ、彫刻の街、日光道中「粕壁宿」、クレヨンしんちゃん
公式サイト
https://www.city.kasukabe.lg.jp/
http://www.kasukabe-cci.or.jp/sightseeing/

取り巻く環境

春日部市は、高度経済成長期前後に都心へのベッドタウンとして急速に都市化が進展しました。これに伴い人口が急増し、市民(=居住者)の暮らしやすさを実現するサービスに重きが置かれ、商都として発展しましたが、勤務地としての企業や工場の進出が積極的に進められませんでした。さらに、現況においては、少子高齢化が進展する一方、進学や就職、結婚によって親世帯から独立する若年層などの転出が、転入を上回っていることから、人口は微減傾向が続いています。

東武鉄道の伊勢崎線と野田線が接続する春日部駅

受け入れの現状

これまで春日部市ではインバウンドに特化した取り組みを重要視していませんでした。そのような中、2018年度から新たな総合振興計画をスタートするにあたり、定住対策の一環として、検討を進めました。春日部市を訪れる訪日旅行者数について、統計データは未整備ながら、春日部情報発信館「ぷらっとかすかべ」での入場者数調査によると、来場者の8.85%(H27年度)が外国人旅行者となっています。『クレヨンしんちゃん』の認知度が高い台湾・中国、香港、その他アジア圏を中心に、「ぷらっとかすかべ」「エンゼル・ドーム」「市庁舎」「ララガーデン」といった『クレヨンしんちゃん』コンテンツに関連した施設への訪問が見られます。
首都圏外郭放水路を訪れる外国人も年々増えており、見学会参加者の約8%(H28)が外国人となっています。また、国内のみならず海外メディア等の取材・撮影も多数受けており、積極的な広報活動を行っております。
訪日旅行者の移動については、東武鉄道を利用して春日部に到着した後、徒歩で域内を移動するケースが大半だと見られます。バスはハードルが高く、レンタサイクルも利用されていないとのことです。

抱える課題

インバウンドに取り組むにあたって春日部市が抱える課題としては、①インバウンドに関われる可能性のある地元のプレーヤー不足 ②インバウンドにうけるキラーコンテンツや観光素材そのものの不足 ③地元の各種事業者、地域住民のインバウンドへの関心の薄さ。 ④インバウンドにどう取り組むのかという大方針が不明確 といったことが挙げられます。

毎年53日と5日に江戸川河川敷で大凧あげ祭りが開催される

取り組み

平成25年にシティーセールス広報課を設置し、春日部市を「人々や事業者から選ばれるまち」とするため、PRしていく取り組みを始めました。「人々」については、居住者の流出を鈍化させると共に、観光客を増やすことが意図されています。
インバウンドへの取り組みにおいては、地元プレーヤーの育成に向け、地域連携を模索しています。また、東京スカイツリーでは、平成26年より春日部の観光や物産などのPRイベントを行っています。
2017年11月に開催されるワークショップを、地域の事業者へのインバウンドに対する理解促進や、春日部市のインバウンド獲得に繋げていくことを目的とすると共に、インバウンド需要を取り込んだ成功事例の研究などを行っていきます。日光とスカイツリー・浅草に挟まれた土地でいかに1日滞在させるかといった広域連携での情報発信や外国人に喜んでもらえるような仕掛けづくりが求められています。

 

春日部市のインバウンドに関するより詳しいデータはこちら

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