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訪日インバウンドへの取り組み強化で地域経済の活性化を図る

2017年11月1日

訪日インバウンドへの取り組み強化で地域経済の活性化を図る

訪日インバウンドへの取り組み強化で地域経済の活性化を図る

日本の最北に位置し、ロシア連邦サハリン州をはじめとする北方圏への玄関口でもある北海道稚内市。宗谷岬や利尻礼文サロベツ国立公園など自然が作り出す豊かな観光資源を有し、観光入込客数は増加している一方、生産年齢人口の流出に伴い経済活動の低下が進んでいます。再び地域経済を活性化させるため、訪日インバウンド旅行者の取り込みを図るべく、動き出しました。

対象地域
北海道
面積
761.47k㎡
総人口
35,051人(推計 2017/03/31)
主要観光資源
宗谷岬、ノシャップ岬、稚内港北防波堤ドーム
公式サイト
http://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/
http://www.welcome.wakkanai.hokkaido.jp/

取り巻く環境

稚内市は漁業、水産加工業を中心に栄えてきましたが、200海里が設定された昭和51年以降に取扱高は縮小傾向にあります。人口は昭和39年の約5万8千人をピークに徐々に減少し、平成28年には約3万5千人となりました。観光面では、行政と観光協会が主導して取り組みを推進。入込客数は上昇し、テーマ性・ストーリー性を持った一連の魅力ある観光地をネットワーク化した広域観光周遊ルートにも認定されていますが、まだまだ利尻、礼文への訪問の際に立ち寄る通過型観光がメインだといえます。

 

利尻礼文サロベツ国立公園をはじめとする自然豊かな観光資源を有する

受け入れの現状

観光入込客数50万7,600人のうち、外国人延べ宿泊者数は1.4万人(平成28年度)。年間の約7割が4月から9月の間に訪問しています。台湾、香港からの旅行者が多く、外国人延べ宿泊者数全体の約半数を占めています。小規模グループがほとんどで、稚内への訪問及び域内移動の交通手段は鉄道やレンタカーがメイン。利尻、礼文への訪問を目的とした通過型観光が多く、2島のシーズンは6~8月と短期のため、稚内への訪問期間も限定的です。

抱える課題

インバウンドへの取り組みにあたり、稚内市が抱える課題としては、①訪日外客の動態把握 ②地域全体の巻き込み促進 ③若手プレイヤーの発掘・育成 ④滞在型観光の促進 といったことが挙げられます。

 

利尻富士と礼文島、サハリンの島影を一望できるノシャップ岬

取り組み

北海道新幹線の開業や2020年東京オリンピック、パラリンピックの開催、北海道を訪れる観光客の動向変化や外国人観光客の増加などに伴い、夏冬別々に存在していた協議会を統合し、観光関連団体以外の業界も参加する「わっかない観光活性化促進協議会」を平成28年4月に発足。誘客活動やさらなる新たな観光資源の創出に取り組み、稚内の特色を生かしたイベントの開催等行っています。さらに、行政、観光協会、交通事業者(フェリー)、ホテル事業者で、「稚内外国人観光客誘致受入実行委員会」を組織し、ロシアのサハリン部会や東南アジア部会を作り、それぞれで活動しています。

28年度からは、インフラ整備においては市内観光スポット5ヵ所に無料Wi-Fiを整備。ガイドブック、パンフレットを4か国5言語で対応しているほか、飲食店のメニューの外国語翻訳を進めています。域内における相互送客の仕組みづくりとしては、稚内・利尻・礼文で7日間の周遊パス(Nパス)を作成し、実施しています。滞在時間延長、消費促進の取り組みでは、東南アジアをターゲットに、大沼の氷上を雪上車でけん引した大型そりに乗る「氷上トレイル」や「稚内サハリン館」でロシアアンサンブル公演などのアクティビティをプロモーションしています。
平成31年度までに外国人の宿泊延べ数30,700人を目標に設定。国内観光客が減少傾向にある中、新たな誘客ターゲットとしてインバウンドを取り込み、入込客数の底上げを図っていきます。

 

稚内市のインバウンドに関するより詳しいデータはこちら

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